毎日、私たちは食べています。
朝が来れば朝食をとり、
お昼になれば昼食をとり、
夜になれば夕食をとる。
あまりにも当たり前なので、
「なぜ私たちは食べるのだろう?」
と考えることは、ほとんどありません。
「生きるため」
「栄養を摂るため」
もちろん、その通りです。
でも、食べることには、
それだけではない何かがあるように思います。
健康について学び始めると、
タンパク質、
脂質、
炭水化物、
ビタミン、
ミネラル……
さまざまな栄養素の名前に出会います。
どれも身体にとって大切です。
けれど私たちが実際に食卓で食べているのは、
「ビタミンC」そのものではありません。
赤いりんご。
みずみずしい梨。
炊きたてのご飯。
色鮮やかな野菜。
一つの食べ物には、
栄養素だけでは説明できない、
色があり、
香りがあり、
食感があり、
育ってきた時間があります。
一枚の葉も、
一つの果実も、
自然の中で育ってきました。
太陽を浴び、
水を吸い、
土や環境と関わりながら育ち、
私たちの食卓へやってきます。
そう考えると、
「食べる」という行為は、
自分の外にあったものを、自分の生命へ迎え入れること
とも言えます。
私たちは毎日、
自然から何かを受け取りながら生きているのです。
そして食には、
もう一つ不思議な力があります。
母が作ってくれた料理。
祖母の家で食べたもの。
家族で囲んだ食卓。
旅行先で初めて食べた味。
一口食べただけで、
昔の風景がよみがえることがあります。
食べることは、
身体をつくるだけでなく、
人と人をつなぎ、
記憶をつなぎ、
文化を次の世代へ渡してきました。
私たちは健康を考えると、「何を食べればいいですか?」
と答えを求めたくなります。
でも、その前に一度、
「私にとって、食べるとは何だろう?」
と考えてみてもよいのではないでしょうか。
身体を養うこと。
自然から生命をいただくこと。
誰かとつながること。
楽しむこと。
自分を大切にすること。
食べるという日常の行為の中には、
実は「どう生きるか」につながる問いが隠れています。
今週は5日間、
いつも当たり前にしている「食べる」を、
もう一度見つめてみたいと思います。
栄養学だけでもなく、
健康法だけでもなく、
食べることから、生命を考える5日間です。
今日、一口目を食べる前に、
ほんの数秒、食べ物を見てみてください。
そして心の中で、
「これは、どこから私のところへ来たのだろう?」
と問いかけてみる。
いつもの一食が、
少し違って見えてくるかもしれません。
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