Living Beauty Notes|物語の向こう側-第7話ー続けるって、頑張ること?

living beauty stories Oct 03, 2026

 ――できない日があっても、人生はそこで終わらない

何か新しいことを始めるとき、私たちは少しワクワクします。
「明日からやってみよう」
「今度こそ続けてみよう」

そんな気持ちで始めたはずなのに、数日すると、思うようにできない日がやってきます。

朝、寝坊してしまった。
予定が変わった。
家族のことで時間がなくなった。
仕事が忙しかった。
疲れて、何もしたくなかった。

すると私たちは、いつの間にか「できなかったこと」ではなく、できなかった自分自身を評価し始めます。

「やっぱり私は続かない」
「意志が弱い」「またできなかった」でも、本当にそうなのでしょうか。

Living Beauty Stories 第7話で、美咲が体験したのは、そんな私たちの日常にある、とても小さな出来事でした。


「朝が、ちょっと楽しみになった。」

7daysが始まった最初の朝。
美咲は冷蔵庫を開け、果物を選びました。
「今日は何にしようかな。」スムージーをつくり、娘にも一口。
スマートフォンを見ると、同じように始めた人たちの様子が届いています。

何か特別なことが起きたわけではありません。

けれど、美咲のいつもの朝に、「ちょっと楽しみ」が一つ増えました。

変化というと、私たちは大きな結果を求めがちです。
体重が変わった。
体調が変わった。
何かができるようになった。

けれど、人が変わり始める最初の兆しは、もっと小さなものなのかもしれません。

「明日は何にしようかな」
「もう一度やってみたいな」
「ちょっと楽しいな」
そんな小さな心の動きです。

生命力とは、何か大きな力を発揮することだけではありません。

自分の中から「やってみたい」が生まれてくること。
そこにも、命が動き始める瞬間があります。


でも、次の日はできなかった

翌朝。
美咲は寝坊しました。
家族の声が聞こえ、やることが次々に目に入ってきます。

冷蔵庫を開けて、
「あ……スムージー。」でも、時間がない。

「今日は……無理だ。」
ここが、第7話でとても大切なところです。

昨日できたことが、今日はできない。
人生では、当たり前のことです。
それなのに私たちは、昨日できたことを今日もできなければ、

「続かなかった」と考えてしまうことがあります。

そして、ここから不思議なことが始まります。
一日できなかっただけなのに、
「私は続けられない人」
という、自分自身についての物語をつくってしまうのです。


できない日にも、選択は残っている

美咲も少し残念そうに、
「昨日は、できたのにな……。」と思います。

でも、そこで終わりませんでした。
出かける前にバナナを一本見つけ、

「……今日は、これでいいか。」

バッグに入れます。

大きな決断ではありません。
スムージーもつくっていません。
予定どおりでもありません。

でも、美咲はその日の自分にできることを、一つ選びました。

ここに、私たちが考えたい「続ける」のもう一つの姿があります。

計画どおりにできなかったことと、自分をあきらめることは、同じではない。

できない日にも、選択は残っています。


「私だけじゃなかった」

昼休み。
ベンチで朝持ってきたバナナを食べながら、美咲は仲間からのメッセージを見ます。

「今日はバナナだけでした(笑)」
「朝できなかったので、お昼に果物を食べました。」
「今日はお休み。また明日。」

美咲は気づきます。

「みんな、毎日同じじゃないんだ。」

一緒に取り組むということは、みんなが同じことを同じようにできることではありません。

ある人はできる。
ある人はできない。
ある人は少しだけ。
ある人は今日は休む。

それぞれに、それぞれの一日があります。

だから、つながることの意味は、
「みんながやっているから、私もやらなくては」
という新しいプレッシャーをつくることではないはずです。

むしろ、
違う一日を生きている私たちが、それぞれの場所からまた始められること。

そこに、コミュニティの温かさがあるのではないでしょうか。


「今日は、ちゃんと……」

そして次の朝。

美咲は、また冷蔵庫の前に立ちます。
昨日できなかったから、「今日は、ちゃんと……」と言いかけます。

これは、これまでの美咲なら、とても自然な言葉だったでしょう。

ちゃんとしなくちゃ。
昨日の分もやらなくちゃ。
決めたんだから続けなくちゃ。

でも、美咲は途中で止まりました。

そして、自分に問いかけます。
「……私は、どうしたい?」

これは、美咲にとって小さいけれど、大きな変化でした。

以前の美咲は、「どうしたい?」と聞かれても、すぐには答えられませんでした。

家族はどう思うだろう。
身体にいいのはどちらだろう。
普通はどうするのだろう。
失敗しないのはどちらだろう。
そんな「理由」が先に出てきました。

でも、この朝は違いました。

自分で自分に問い、少し考えて、

「今日は……つくりたいな。」

と言ったのです。


「やらなくちゃ」から「やりたい」へ

ここには、同じスムージーをつくるという行動でも、大きな違いがあります。

「昨日できなかったから、今日はやらなくちゃ」と、

「今日は、つくりたいな」
では、外から見れば同じ行動です。
けれど、その行動を生み出しているものが違います。

一方は「やらなくては」。
もう一方は「私は、そうしたい」。
私たちが大切にしたいのは、単に行動を継続することだけではありません。

その行動の中に、自分自身がいるか。

そこです。


毎日は、同じではない

美咲の7daysにも、いろいろな日があります。

スムージーをつくった朝。
果物だけの日。
時間がなくて、りんごをバッグに入れた日。
家族と果物を分けた日。
そして、何もしなかった日。

それでもいい。
これは「何をしても同じ」ということではありません。
むしろ、自分の行動と、そのとき自分がどう感じているのかを丁寧に見ていく。

だからこそ、

自分で次を選べるようになっていく。

美咲はノートに書きました。
   朝、果物を選ぶのが楽しかった。
   昨日はできなかった。
   今日は、またやってみたくなった。

そして、ふと気づきます。

「続けるって……」

少し考えて、

「また、選べばいいのか。」


継続とは、「戻ってこられること」なのかもしれない

続けるというと、「一度決めたことを、毎日欠かさず行うこと」

と思うかもしれません。

もちろん、習慣を積み重ねることには意味があります。

でも、人の暮らしは機械のようにはいきません。

体調も変わる。
仕事も変わる。
家族の事情も変わる。
心も揺れる。

思いがけない出来事も起こります。

そんな人生の中で大切なのは、
一度も途切れないことだけではなく、

途切れても、自分に戻ってこられること。

なのではないでしょうか。

昨日できなかった。
だから終わり、ではない。
今日になったら、また自分に聞いてみる。

「私は、今日はどうしたい?」

そして、今日の自分が選ぶ。


自立とは、一人で頑張ることではない

美咲は、一人でここまで来たわけではありません。

家族がいます。
一緒に取り組む仲間がいます。
そして、これまで美咲に問いを投げかけてきた「源美咲」もいました。

人は、人とのつながりの中で生きています。

支えられることもある。
誰かの言葉で気づくこともある。
一緒だから一歩踏み出せることもある。

それでも最後に、
「私はどうしたい?」と自分に問い、自分の言葉で選ぶ。

それが、Living Beauty Storiesで描いていきたい「自立」の一つの姿です。

一人で生きることではなく、
つながりの中で、自分を失わないこと。


明日は、何にしようかな

第7話の最後。

美咲は果物を眺めながら言います。

「明日は……何にしようかな。」

「明日もちゃんとやらなくちゃ」ではありません。

「明日は何にしようかな」。

この小さな違いの中に、美咲の変化があります。

知る。感じる。選ぶ。やってみる。また感じる。

そして——

また、選ぶ。

人生も、きっとこの繰り返しです。

一度の選択ですべてが決まるのではなく、

今日選び、明日になったら、また選ぶ。

うまくいかなかったら、また戻ってくる。

その繰り返しの中で、少しずつ、

「誰かの人生」ではなく、「私の人生」になっていく。

それが、美咲が歩き始めた道なのかもしれません。


今日の小さな問い

もし今日、
「できなかった」
「続かなかった」
「またダメだった」

と思っていることがあったら、そこで自分を評価する前に、一度だけ問いかけてみてください。

「私は、今日はどうしたい?」

昨日の自分ではなく、
理想の自分でもなく、
誰かが期待する自分でもなく、

今日ここにいる私に。

答えは、大きなものでなくていい。
美咲のバナナ一本のような、小さな選択かもしれません。

そして明日になったら——また、選べばいい。

命を讃えて生きることは、
何度でも自分の人生に戻り、
そこからもう一度選ぶことなのかもしれません。

Living Beauty Stories 第7話
「続けるって、頑張ること?」
――できない日があっても、また選べばいい。

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