昨日、私たちは「道」について考えました。
道とは、上手になることだけではなく、
日々繰り返しながら、自分自身を育てていくこと。
では、それを「食」に置き換えてみると、
どうなるでしょう。
もしかすると、その入口はとても身近なところにあります。
今日の一食です。
一度野菜をたくさん食べたからといって、
翌日突然、健康になるわけではありません。
反対に、ケーキを一つ食べたからといって、
それまでの健康がすべて失われるわけでもありません。
身体をつくっているのは、
一回の「完璧な食事」ではなく、
毎日の小さな選択の積み重ねです。
朝、何を食べるか。
お腹が空いているのか、
ただ習慣で食べているのか。
野菜や果物を、今日はどのくらい食べただろう。
食べたあと、身体は軽いだろうか。
それとも少し重いだろうか。
そんな一つひとつは、
あまりに小さくて、
その瞬間には変化が見えないかもしれません。
でも、それが毎日続いていきます。
習慣についての研究でも、
新しい行動は、同じような状況の中で繰り返すことで
少しずつ自動化されていくことが示されています。
よく「習慣は21日でできる」と言われますが、
実際には、もっと個人差があります。
2009年にUniversity College Londonの研究者らが行った研究では、新しい行動が十分に習慣化するまでの期間は人によって大きく異なり、中央値は66日でした。
大切なのは「何日で完成するか」ではなく、
小さな行動を、暮らしの中で繰り返していくこと。
なのです。
毎朝、果物を食べるようになった。
野菜の色を見るようになった。
食事の前に、自分のお腹の状態を感じるようになった。
よく噛んで味わうようになった。
そんな変化が続いていくと、
変わるのは食事だけではありません。
「今日は身体が軽いな」
「昨日は少し食べすぎたかな」
「最近、自然のものがおいしく感じる」
そんなふうに、
自分の生命に気づく感覚
も少しずつ育っていきます。
食べるものを変えることから始まって、
いつの間にか、
自分との付き合い方が変わっていく。
ここにも「道」があります。
人生を変えようと思うと、
私たちは大きなことを始めようとします。
でも、本当に人生をつくっているのは、
特別な日の大きな決断よりも、
毎朝起きること。
誰かと言葉を交わすこと。
身体を動かすこと。
そして、毎日食べること。
なのかもしれません。
だから、完璧を目指さなくても大丈夫。
今日の一食で、
昨日とは一つだけ違う選択をしてみる。
旬の果物を一つ食べてみる。
野菜を一品増やしてみる。
一口だけ、ゆっくり味わってみる。
そして、
「今、私の身体はどう感じている?」
と聞いてみる。
その小さな一歩が、
明日の自分につながっていきます。
毎日の一食が、自分をつくっている。
そう考えると、
今日の食卓が、
少し違って見えてきませんか?
Phillippa Lally et al. “How are habits formed: Modelling habit formation in the real world.” European Journal of Social Psychology, 2009.
習慣は「○日で完成する」という単純なものではなく、同じ状況の中で行動を繰り返すことで、徐々に自動化されていくことが報告されています。
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