毎朝、目が覚める。
顔を洗い、朝食を食べ、家事や仕事を始める。
昨日と同じように、今日も一日が始まります。
そんな何気ない毎日の中で、ふと考えてみたいことがあります。
「私は、自分のことをどれくらい知っているのだろう?」
自分の名前も、年齢も、性格も、好きな食べ物も知っています。
得意なことも、苦手なことも、これまでの人生も。
でも、それが自分のすべてなのでしょうか。
例えば、こんな経験はありませんか。
初めての場所を訪れたとき、思いがけず心が躍った。
誰かの話を聞いていたら、なぜか涙があふれてきた。
自分にはできないと思っていたことが、やってみたらできた。
知らない人のために、自然と身体が動いた。
その瞬間、
「あれ、私ってこんなふうに感じる人だったんだ。」
と驚いたことはないでしょうか。
それは、今まで知らなかった自分との出会いかもしれません。
心理学には「自己決定理論」という研究があります。
アメリカの心理学者エドワード・デシとリチャード・ライアンらは、人が自分の意思で選んでいる感覚、自分の力を発揮できる感覚、そして人とのつながりを持つことが、意欲や心の健やかさに関わると考え、研究を重ねてきました。
興味深いのは、人間の成長には、単に外から何かを与えられることだけではなく、本人の内側から生まれる意欲も大切だということです。
私たちは、自分が思っている以上に、まだ試していないこと、まだ感じたことのない喜びを持っているのかもしれません。
JLBAでは、人が自分自身の生命を感じ、自分で考え、選び、行動していくことを大切にしています。
それを私たちは「生命力」という言葉で表しています。
けれども、生命力は目に見えるものではありません。
「あなたには生命力があります」と言われても、実感するのは難しいでしょう。
だからこそ、説明よりも体験が大切なのです。
何かを見て心が動く。
やってみたいと思う。
一歩踏み出してみる。
思いがけない自分に出会う。
その一つひとつの中に、まだ知らなかった自分を発見する機会があります。
あなたの人生は、これまでの経験だけで決まっているわけではありません。
まだ出会っていないあなたが、これからの人生にいるのです。
今日は、次の問いを一つだけ考えてみてください。
「最近、思いがけず心が動いたのは、どんなとき?」
うれしかったことでも、驚いたことでも、少し悲しかったことでも構いません。
その出来事を思い出し、30秒だけ、そのときの気持ちを感じてみてください。
できれば一言、書き残してみましょう。
まだ知らない自分との出会いは、そんな小さなところから始まります。
研究参考資料
Deci, E. L. & Ryan, R. M. (2000). The “What” and “Why” of Goal Pursuits: Human Needs and the Self-Determination of Behavior. Psychological Inquiry.
※研究は人間の意欲や心理的欲求に関するものであり、JLBA独自の「生命力」という概念そのものを実証したものではありません。
◆命を讃えて生きる―人生は、もう一度面白くできるー