「いつか、やってみたい。」
そう思っていたことがありました。
料理をもっと学んでみたい。
自分の経験を誰かの役に立てたい。
何か新しいことを始めてみたい。
でも、毎日の暮らしは忙しく、気がつけば何年も過ぎていました。
ある日、久しぶりに会った友人から、
「そういえば、前にやってみたいって言っていたこと、どうなった?」と聞かれました。
「ああ、あれね。まだ何もしていないの。」
そう答えながら、少し胸が痛くなりました。
やりたくなくなったわけではありません。
ただ、いつの間にか、
「いつか」が当たり前になっていたのです。
時間ができたら。
子どもが大きくなったら。
仕事が落ち着いたら。
自信がついたら。
準備が整ったら。
私たちは、何かを始めるための条件をたくさん考えます。
もちろん、準備が必要なこともあります。
でも、すべての条件が整う日を待っていたら、いつまでも始められないこともあるのではないでしょうか。
では、どうしたらよいのでしょう。
ドイツの心理学者ピーター・ゴルヴィッツァーらは、目標を行動に移すための方法を研究してきました。
その一つが、「実行意図」と呼ばれる考え方です。
例えば、「健康的な食事をしたい。」と思うだけではなく、
「明日の朝、朝食の準備をするときに、果物を一つ用意する。」
と具体的に決める。
「自分の時間を大切にしたい。」
と思うだけではなく、
「夕食の片付けが終わったら、10分間だけ好きな本を読む。」と決める。
研究では、このように行動する場面と行動内容を結びつける計画が、目標達成を助けることが報告されています。
つまり、大切なのは、強い決意を持つことだけではありません。
自分の思いを、日常の中で実際にできる行動に変えること。
例えば、以前から興味のあった料理講座。
まずは、どんな内容なのか調べてみる。
それだけでも、今まで知らなかったことが分かります。
次に、参加した人の話を聞いてみる。
すると、自分にもできそうなことが見えてくるかもしれません。
実際に参加してみたら、
思った以上に楽しいかもしれない。
難しいと感じるかもしれない。
自分が本当に興味を持っていることが、別のところにあると気づくかもしれません。
どんな結果であっても、行動する前にはなかった発見があります。
人生は、頭の中で考えているだけでは、分からないことがあるのです。
今週は、
「もう、この歳だから。」
「失敗したらどうしよう。」
「私のことは後でいい。」
「一人ではできない。」
そんな、私たちが日常の中で出会う言葉を見つめてきました。
それらの言葉が浮かぶこと自体は、悪いことではありません。
私たちには、守りたい暮らしがあり、大切な人がいて、それぞれの事情があります。
だからこそ、そのすべてを抱えながら、
「それでも、私はどうしたい?」
と自分に問いかけることが大切なのだと思います。
JLBAが20年目に向けて大切にしているのも、ここです。
自分の生命を感じる。
自分で考える。
自分で選ぶ。
そして、行動してみる。
その体験から、新しい自分の可能性を発見する。
私たちは、そんな生き方を「Life Creator」という言葉で表しています。
人生のすべてを思い通りにする人ではありません。
どんな人生がやってきても、
「これは私の人生だ。」
と、自分自身で関わり続ける人です。
これまで家族のためにしてきたこと。
仕事を通して学んできたこと。
うまくいかなかった経験。
誰かに助けてもらったこと。
自分が夢中になったこと。
そのすべてが、これからの人生を創るための大切な経験です。
そして、あなたの経験を必要としている人が、どこかにいるかもしれません。
自分のために始めた小さな一歩が、いつか誰かの役に立つこともあります。
だから、未来を急いで決める必要はありません。
まずは、今日できることを一つ。
「いつか」を、「今日から」に変えてみませんか。
今週、心に浮かんだ「やってみたいこと」を一つ選んでください。
そして、次の文章を完成させてみましょう。
「私は、__月__日の__時に、____をやってみる。」
例えば、
「日曜日の朝10時に、初めてのロースイーツを作ってみる。」
「土曜日の午後に、興味のある講座の資料を読んでみる。」
「今夜8時に、これからやりたいことをノートに書く。」
小さなことで大丈夫です。
そして、実際にやってみたら、
「私は、何を発見した?」
と自分に聞いてみてください。
まだ知らないあなたの未来は、これからの行動の中にあります。
もっと自分の可能性を発見したい方へ
JLBAでは、食を通して自分を知る「リビングビューティー7days」や、これまでの経験をこれからの人生に活かす「リビングビューティー ライフクリエイター」の学びを行っています。
一人で答えを出すのではなく、仲間とともに体験し、発見し、自分の未来を創っていく。
そんな学びの場を、これからも育てていきます。
研究参考資料
Gollwitzer, P. M. & Sheeran, P. (2006). Implementation Intentions and Goal Achievement: A Meta-Analysis of Effects and Processes. Advances in Experimental Social Psychology, 38, 69–119.