「この講座、ちょっと面白そう。」
スマートフォンで見つけた案内を、しばらく眺めていました。
以前から興味があったことです。
でも、申し込みのボタンを押そうとすると、急にいろいろなことが気になり始めました。
「私だけついていけなかったら?」
「お金を無駄にしたら?」
「家族に何て言われるだろう?」
そして結局、画面を閉じてしまいました。
そんな経験はありませんか。
新しいことを始める前に、私たちはいろいろな未来を想像します。
うまくいく未来もあれば、失敗する未来もあります。
ところが、不安が強いときには、失敗した場面ばかりが浮かんでくることがあります。
人前でうまく話せなかったら。
家族に反対されたら。
努力しても結果が出なかったら。
まだ何も起きていないのに、まるで失敗を経験したかのように感じてしまう。
その結果、挑戦する前にやめてしまうことがあります。
心理学者キャロル・ドゥエックらは、人が能力をどう捉えているかによって、困難への向き合い方が異なることを研究してきました。
能力は変わらないものだと考える場合、失敗が自分の価値や能力を否定するものに感じられることがあります。
一方、能力は学習や努力によって伸ばせると考える場合、失敗を学びの材料として捉えやすくなる可能性があります。
ただし、前向きに考えれば必ず成功するという意味ではありません。
失敗には、実際の損失や負担が伴うこともあります。
だからこそ、無理に大きな挑戦をするのではなく、安全に試せる小さな行動から始めることが大切なのだと思います。
例えば、初めてロースイーツを作ったとします。
レシピ通りに作ったつもりなのに、思ったような仕上がりにならなかった。
以前なら、
「やっぱり私には向いていない。」
と思っていたかもしれません。
でも、少し見方を変えてみます。
材料の量が違ったのかな。
混ぜ方に工夫が必要だったのかな。
次はこうしてみよう。
すると、同じ出来事が、次の行動につながる体験になります。
JLBAが大切にしたい学びも、ここにあります。
正解を覚えることだけでなく、実際にやってみて、何を発見したか。
体験の中から、自分で次の可能性を見つけていくこと。
もちろん、すべてのことに挑戦する必要はありません。
今はやらないと決めることも、自分の選択です。
でも、本当はやってみたいのに、失敗が怖いという理由だけで諦めていることがあるなら。
一度、問い直してみたいのです。
「失敗しない方法はないだろうか?」
ではなく、
「小さく試すとしたら、何ができるだろう?」
その問いから、未来の見え方が少し変わるかもしれません。
昨日書いた「やってみたいこと」を見てください。
その中から、一つ選んで、
「失敗しても大きな負担にならない、小さな試し方」
を考えてみましょう。
例えば、講座に申し込む前に資料を読んでみる。
仕事を変える前に、興味のある分野の人に話を聞いてみる。
そして、試してみたら、
「うまくいったか」だけでなく、
「何を発見したか」
を一つ書いてみてください。
◆関連記事
もう、この歳だからと、諦めたことはありませんか?
研究参考資料
Dweck, C. S. & Leggett, E. L. (1988). A Social-Cognitive Approach to Motivation and Personality. Psychological Review, 95(2), 256–273.