「私、一人だったら絶対に参加していなかったと思う。」
ワークショップが終わったあと、そんな言葉が聞こえてきました。
初めて会う人たち。
初めて作る料理。
知らないことばかりで、参加する前は少し不安だったそうです。
でも、始まってみると、
「これ、どうやるんですか?」
「私も初めてなんです。」
「わあ、きれいにできましたね!」
そんな会話が生まれました。
最初は緊張していた人たちが、いつの間にか笑い合っている。
そして終わる頃には、
「今度は家でも作ってみます。」
と話していました。
一人では踏み出せなかった一歩が、誰かと一緒だったから踏み出せた。
そんな経験はありませんか。
大人になると、
「自分のことは自分で。」
「人に迷惑をかけないように。」
と考えることが増えていきます。
新しいことを学ぶときも、まず一人で調べる。
分からないことがあっても、何とか自分で解決しようとする。
それも大切な力です。
でも、すべてを一人でやる必要があるのでしょうか。
分からないことを聞ける人がいる。
同じことに挑戦する仲間がいる。
失敗しても笑い合える人がいる。
それだけで、挑戦の感じ方は変わることがあります。
心理学では、人とのつながりや支えが、ストレスへの対処や心の健康とどのように関係するかが長く研究されてきました。
例えば、コーエンとウィルズは、社会的な支援がストレスによる悪影響を和らげる可能性について、研究を整理しました。
人とのつながりがあれば、必ず困難を乗り越えられるわけではありません。
それでも、相談できる人がいることや、支えてもらえることは、困難に向き合う際の大切な資源になり得ます。
そして、もう一つ。
私たちは誰かから教わるだけでなく、誰かの挑戦を見て、
「私もやってみようかな。」
と思うことがあります。
人との出会いは、まだ知らなかった自分の可能性を発見するきっかけにもなるのです。
初めて作った料理が、思いがけずおいしくできた。
うれしくなって、家族に食べてもらった。
「おいしいね。」
その一言が、また次の料理を作ってみたいという気持ちにつながる。
そして今度は、友人にも教えてあげたくなる。
一人の小さな体験が、誰かの新しい体験へとつながっていく。
JLBAが目指している学びも、そんな姿です。
学んだ人が、次の誰かに教える。
教える人も、また新しいことを学ぶ。
一人ではできなかったことを、仲間と一緒に形にしていく。
自分の可能性を発見することが、誰かの可能性を開くきっかけにもなる。
それは、とても豊かなことではないでしょうか。
自分の人生を生きるために、誰かとのつながりを断つ必要はありません。
むしろ、
自分で考え、自分で選び、必要なときには助けを求める。
そして、自分にできることで誰かを支える。
そんな関係の中で、自分の人生を生きていくことができます。
「私一人では無理だから。」
そう思ったとき、
「では、誰と一緒ならできるだろう?」
と考えてみませんか。
今日は、以前からやってみたかったことを一つ思い浮かべてください。
そして、
「誰かと一緒なら、できるかもしれない。」
と思える人を探してみましょう。
友人でも、家族でも、同じ興味を持つ仲間でも構いません。
「今度、一緒にやってみない?」
そんな一言から、新しい可能性が生まれるかもしれません。
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研究参考資料
Cohen, S. & Wills, T. A. (1985). Stress, Social Support, and the Buffering Hypothesis. Psychological Bulletin, 98(2), 310–357.