朝、目が覚める。
まだ眠いなと思いながら、布団から起き上がる。
お腹が空く。
喉が渇く。
少し疲れたな、と感じる。
そんな当たり前のことを、私たちは普段あまり意識していません。
でも、少し考えてみると、不思議なことではないでしょうか。
私たちが何も考えていない間も、心臓は動き、呼吸は続き、身体の中では数えきれないほどの働きが行われています。
あなたの身体は、今日もあなたを生かしているのです。
例えば、忙しい日の昼食。
仕事をしながら、スマートフォンを見ながら、急いで食べ終える。
何を食べたかは覚えていても、どんな味だったかは、あまり覚えていない。
そんなことはありませんか。
あるいは、
本当は疲れているのに、「まだ頑張れる」と仕事を続ける。
喉が渇いているのに、後回しにする。
私たちは頭で考えることに忙しく、身体からの小さな知らせを見逃してしまうことがあります。
近年、脳科学や心理学では「内受容感覚(インターオセプション)」という働きが研究されています。
これは、空腹、喉の渇き、心拍、呼吸など、身体の内側の状態を感じ取り、解釈する働きです。
研究では、この働きが身体の調節だけでなく、感情の体験や自分自身の感覚にも関係していることが論じられています。
つまり、自分を知ることには、頭で自分を分析するだけでなく、身体の状態に気づくことも関わっているのです。
もちろん、身体の感覚はいつも正確に読み取れるわけではありません。
だからこそ、決めつけず、丁寧に観察することが大切なのでしょう。
目の前に、みずみずしいオレンジがあるとします。
皮をむくと、ふわっと香りが広がる。
鮮やかな色が目に入る。
一口食べると、甘みと酸味が広がる。
そのとき、
「おいしい。」
と思うかもしれません。
あるいは、今日は少し酸っぱく感じるかもしれません。
その違いも、今の自分の体験です。
食べることは、単に栄養素を身体に入れることだけではありません。
色を見て、香りを感じ、味わい、自分の感覚に気づく機会でもあります。
JLBAが食を大切にしている理由の一つも、ここにあります。
食は、自分自身の生命に目を向ける、とても身近な入口なのです。
私たちは、身体を思い通りに動かそうとすることがあります。
もっと頑張って。
もっと元気になって。
もっと若々しく。
でも、ときには、
「今、どんな感じ?」
と聞いてみることも必要なのではないでしょうか。
身体を責めるのではなく、知ろうとする。
それも、自分の生命を大切にする一つの行動です。
今日の食事のうち、最初の三口だけ、少しゆっくり味わってみましょう。
スマートフォンを置いて、
色を見る。
香りを感じる。
口の中の味や食感に気づく。
そして、自分に聞いてみてください。
「今の私は、どんなふうに感じている?」
いつもと違う発見がなくても大丈夫。
自分の身体に注意を向けた、その時間を大切にしてみてください。
研究参考資料
Khalsa, S. S. et al. (2018). Interoception and Mental Health: A Roadmap. Biological Psychiatry: Cognitive Neuroscience and Neuroimaging.
※身体感覚の研究は、JLBAの「生命力」という概念そのものを証明するものではありません。
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