「身体の声を聞く」
そう聞くと、あなたはどんなことを思い浮かべますか?
食べたいものを食べること?
疲れたら休むこと?
健康によいものを選ぶこと?
第4話の美咲も、最初はよくわかりませんでした。
源美咲から、「美咲は、何がしたい?」と聞かれても、
「洗濯して、買い物して……」
出てくるのは「やること」ばかり。
自分が何をしたいのかと聞かれると、「……わかんない。」
48年間、自分の身体と一緒に生きてきたのに。
自分が何を感じているのか。
何が心地よいのか。
何を求めているのか。
意外なほど、わからなかったのです。
そんな美咲に、最初の小さな変化が起こります。
窓を開けたとき、
ふわっと風が入ってきました。
髪が揺れて、思わず出た言葉。
「……気持ちいい。」
頭で考えて出した答えではありません。
誰かから教えられたわけでもありません。
身体が感じて、美咲の中から自然に出てきた言葉でした。
源美咲は、それを見逃しません。
「今の、わかった?」
「え?」
「“気持ちいい”って。」
大きな答えを探していた美咲は、初めて気づきます。
身体は、こんな小さなところから、ずっと私に話しかけていたのかもしれない。
そして美咲は、食べることでも身体に聞いてみようとします。
ところが、ここで一つの疑問が生まれました。
「身体の声って、食べたいものを食べるってこと?」
これは、とても大切な問いです。
私たちの「食べたい」には、いろいろなものが重なっています。
いつもの習慣。
記憶に残っている味。
香りや見た目。
気分。
疲れ。
強い味への慣れ。
だから、「食べたい」と思ったことを否定する必要はありません。
でも、それだけで身体のすべてがわかったとも限りません。
そこで源美咲は言いました。
「食べたあとも、聞いてみたら?」
これは、美咲にとって新しい発見でした。
これまでは、「何が食べたい?」「おいしい?」
そこまで。
でも、食べたあとにも身体は続いています。
満たされている?
まだ何か欲しい?
軽い?
重い?
心地いい?
眠くなった?
元気が出た?
良い、悪いと採点するのではありません。
ただ、「今の私は、どう感じているんだろう?」と観察してみる。
すると、今まで見えていなかった自分が少しずつ見えてきます。
DAY3、美咲は色とりどりの果物を手に取ります。
「身体にいいから食べなくちゃ」
ではありません。
色を見る。
香りを感じる。
触れる。
切る。
味わう。
そして、食べたあとにも自分を感じてみる。
歩きながら、美咲はふと気づきました。
「あれ……なんか、軽い。」
これは、「果物を食べれば、誰でもこうなる」という答えではありません。
大切なのは、美咲が初めて、
食べ物についての情報ではなく、自分自身の体験を観察したこと。
なのだと思います。
健康について調べれば、たくさんの情報が出てきます。
「これは身体にいい」
「これは食べない方がいい」
「これを毎日食べましょう」
もちろん、知識は大切です。
でも、知識だけではわからないものがあります。
それが、「私の身体では、今、何が起きているのか」ということです。
身体は、毎日違います。
季節でも変わる。
睡眠でも変わる。
心の状態でも変わる。
食べたものでも変わる。
だからこそ、健康は「正解を守ること」だけではなく、
難しいことをする必要はありません。
今日、一回の食事だけで構いません。
食べる前、食べているとき、そして食べたあと。
少しだけ、自分に聞いてみてください。
① 食べる前
「今、私はどんな感じ?」
② 食べながら
「本当においしい? どんな味? どんな香り?」
③ 食べたあと
「今、身体はどんな感じ?」
そしてもう一つ。
今日のどこかで、「あ、気持ちいい」を一つ見つけてみてください。
風かもしれません。
温かいお茶かもしれない。
歩くことかもしれない。
果物のみずみずしさかもしれない。
静かな時間かもしれません。
正しい答えを出す必要はありません。
ただ、気づく。そこから始めてみてください。
第4話の最後、美咲はこう言いました。
私は、この言葉が第4話の本当のゴールだと思います。
身体の声が全部わかるようになったのではありません。
むしろ、「私は、自分のことをまだ知らない。」と気づいた。
でもそれは、不安ではなく、好奇心の始まりです。
自分の身体を知ってみたい。
自分の生命力を知ってみたい。
そして、自分自身で確かめてみたい。
その小さな好奇心から、美咲の次の行動が始まります。
健康の答えを、外側に探し続けるだけではなく、
自分自身も、観察してみる。
今日のあなたの身体は、何を伝えていますか?
まずは一つだけ、聞いてみませんか。
「今、私はどんな感じ?」
その答えが、これからのあなたを知る最初の一歩になるかもしれません。
Living Beauty Stories|物語の向こう側 第4話
美咲の物語は、
「もっと自分の身体を知りたい」という小さな好奇心から、次の一歩へ進みます。
そして私たちも、美咲と一緒に、
知るだけではなく、実際にやって、感じて、確かめていく。
そんな時間へ進んでいきます。
◆美咲の生命美の物語はInstagramで配信中