DAY3:一緒につくると、子どもの目が変わる ― 「やってみたい」は生命力のサイン ―

子供の食と未来 Aug 25, 2026

「私もやりたい!」
料理をしていると、子どもがこんなふうに
近づいてくることがあります。

でも大人は、
「危ないから」「時間がないから」「汚れるから」
と、つい言ってしまいます。

その気持ちも、よくわかります。
大人がやったほうが、ずっと早い。
きれいにできる。
失敗も少ない。

でも、そんなときに子どもが発した、「やってみたい!」という言葉。

実はそこに、
とても大切なものが
隠れているのかもしれません。

「やってみたい」は、生命が動いている瞬間

子どもは、生まれながらに好奇心を持っています。

触ってみたい。
匂いをかいでみたい。
自分でやってみたい。
「どうなるんだろう?」

その好奇心が、子どもを世界へ向かわせます。

誰かに言われたからではなく、
「自分からやってみたい」と思ったとき、
子どもの中から力が出てきます。

それはまさに、
生命力が動いている瞬間ではないでしょうか。

料理は、五感を使う体験

料理には、
子どもの「やってみたい」が
生まれる場面がたくさんあります。

野菜を洗う。
レタスをちぎる。
果物を切る。
材料を混ぜる。
お皿に盛りつける。
触った感じ。
切ったときの音。
果物の香り。
色の組み合わせ。

そして最後に、味わう。

昨日の記事では、
五感は食卓を使って学べる
「身近な教室」 だとお話ししました。

料理はそこからもう一歩進んで、自分の手で世界に関わる体験になります。

大人が答えを出さない時間

たとえば、サラダを一緒につくるとします。
「ここにトマトを置きなさい」ではなく、

「どこに置いたら、おいしそうに見えるかな?」と聞いてみる。

正解はありません。
真ん中に置くかもしれない。
端に並べるかもしれない。

大人には思いつかないような
盛りつけをするかもしれません。

そこで、「違うよ」ではなく、

「面白いね。どうしてそうしたの?」と聞いてみる。

すると子どもは、
自分で考え、
自分の言葉で話し始めます。

料理をしているようで、

考える力や、
感じる力や、
表現する力も
一緒に動いているのです。

「できた!」より大切にしたいこと

私たち大人は、つい結果を見ます。

上手に切れた。
きれいにできた。
最後までできた。

もちろん、「できた!」という喜びも大切です。

でも、その一歩前にある、「やってみたい!」
をもっと大切にしてもよいのではないでしょうか。

うまく切れなくてもいい。
少しくらいこぼしてもいい。
盛りつけが不思議でもいい。
その子が自分から手を伸ばした。

考えた。工夫した。
失敗して、もう一度やってみた。

そこに、
学びがあります。

子どもの「やってみたい」を待てる大人に

子どもの可能性を育てるというと、
何か特別な教育を
しなければならないように感じます。

でも、もしかすると大人にできることは、
すぐに答えを教えることではなく、

少し待つこと。なのかもしれません。
自分で選ぶまで待つ。
自分で考えるまで待つ。

失敗しても、
すぐに手を出さずに見てみる。

そして必要なときだけ、
そっと手を貸す。

子どもを信じて待つことも、
可能性を育てる一つの方法です。

夏休みの最後に、一品だけ一緒につくってみませんか?

夏休みも残りわずか。
特別な料理でなくて大丈夫です。

果物を切って、好きなように盛りつける。

野菜をちぎって、サラダをつくる。

好きな果物と野菜で、
スムージーをつくってみる。

そして大人は、
少しだけ手を出すのを我慢して、

「どうしたい?」と聞いてみる。

料理が完成すること以上に、
子どもの目が輝く瞬間を見つけてみてください。

「やってみたい!」その小さな言葉の中には、

自分で感じ、
自分で考え、
自分で世界に関わろうとする力
があります。

私たちが育てたいのは、
料理が上手な子どもだけではありません。

いつか大人になったとき、「私は、どうしたい?」と自分に問い、
自分で一歩を選べる人。

その力の小さな芽は、
今日のキッチンにもあるのかもしれません。

「やってみたい」は、生命力のサイン。

今日は少しだけ、
そのサインを見逃さずに待ってみませんか。

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