2026年1月7日、アメリカ合衆国保健福祉省(HHS)は、連邦政府の新しい栄養ガイドラインを発表しました。主導したのは保健福祉長官のロバート・F・ケネディ Jr.(RFK Jr.)で、これまでのガイドラインから大きく方向性を転換する内容となっています。今回の改訂は、従来の低脂肪・高炭水化物を基調とした枠組みに対し、高品質なたんぱく質と健康的な脂肪を重視し、添加糖や超加工食品の摂取を強く制限する主要な変更が含まれています。
RFK Jr.は、アメリカ人の食生活が慢性的な肥満・糖尿病などの健康問題を引き起こしていることを強く批判し、「添加糖に対する戦争」を宣言しました。新しいガイドラインは、学校給食や連邦の福祉プログラムにも影響を及ぼし、数千万人の日々の食事の方針となります。支持する医学団体もある一方、飽和脂肪や動物性脂肪の扱いについては専門家の意見が分かれているのが現状です。
Financial Times|New US dietary guidelines call for more protein and less sugar
https://www.ft.com/content/ef1e6630-f714-42e1-814d-1799e234c0ea
Business Insider|RFK Jr’s new dietary guidelines include major changes
https://www.businessinsider.com/rfk-new-dietary-guidelines-5-changes-2026-1
Wall Street Journal|How RFK Jr. won over skeptics to overhaul federal food guidelines
(速報記事) https://www.wsj.com/politics/policy/rfk-jr-saturated-fat-heart-association-14cd9760
PBS|What’s in the new US dietary guidelines
https://www.pbs.org/newshour/health/heres-whats-in-new-dietary-guidelines-from-the-trump-administration
People.com|Upside down food pyramid and war on sugar
https://people.com/rfk-jr-unveils-upside-down-food-pyramid-with-new-dietary-guidelines-11881012
Times of India|Proteins and no sugar in US guidelines
https://timesofindia.indiatimes.com/world/us/proteins-in-every-meal-no-sugar-new-dietary-guidelines-for-americans/articleshow/126401642.cms
アメリカでは、過去数十年にわたり肥満や糖尿病、心臓病などの生活習慣病が増加しており、食生活の質が大きく影響していると指摘されています。従来の「低脂肪・高炭水化物」中心の健康戦略が必ずしも生活習慣病の減少につながらなかったことへの反省もあり、より「現実的で科学的」とされる食の見直しが求められていました。
RFK Jr.自身も、長年にわたり加工食品・砂糖・添加物の過剰摂取が健康に悪影響を与えるという見解を発信しており、それが今回の方針変更につながっています。
今回のガイドラインでは、次のような大幅な方針転換が含まれています:
高品質タンパク質と健康的脂肪を重視(動物性・植物性タンパク質の両方)
炭水化物の位置づけを見直し、精製穀物は制限
超加工食品と添加物に対して明確な注意喚起
全脂肪乳製品や天然脂肪の選択を制限しない方向性
添加糖と非栄養甘味料のさらなる制限(特に幼児では回避)
食物繊維や発酵食品など腸内環境を整える食への新たな強調
これらは、従来のガイドラインから大きく方針を転換したものです。
今回の改訂は、単なる栄養学上の推奨にとどまらず、米国の公的食事プログラム全体に影響します。
学校給食の基準が見直され、全国の学校給食プログラムで提供される食事に反映されるほか、軍隊・退役軍人病院・福祉プログラム向けの食事にも影響することが期待されています。
そのため、数千万人にとって日々の食事が“政府推奨の健康設計”に組み込まれる可能性があるのです。
世界的に見ても、「何を食べるか」という基本的な問いは、健康寿命や生活習慣病対策の要です。今回のアメリカのガイドラインは、加工・砂糖・添加物を避け、栄養密度の高い自然な食を選ぶ方向性を強調している点で、現代の食健康科学の潮流と一致しています。
ただし、飽和脂肪やタンパク質の扱いなどについては評価が分かれる点もあります。重要なのは、科学的な根拠と実際の暮らしのバランスを見極め、個々人が自分の身体にとって何が最適かを考えることです。
このガイドラインの発表は、国が健康を政策として扱う意義を再認識させますが、最終的には日々の食卓での選択が、健康を育てる鍵であることに変わりはありません。