発酵食は、世界各地の伝統的な食文化の中で育まれてきた、人類最古の保存・調理技術のひとつです。味噌、醤油、漬物、キムチ、ヨーグルト、サワードウ、チーズなどは、すべて微生物の働きを活かした食品であり、その背景には土地ごとの土壌環境や気候、菌の多様性があります。
近年の微生物学や食文化研究では、発酵食品に含まれる微生物の種類や働きが、地域の土壌微生物と深く関係していることが示されています。健康な土壌が多様な微生物を育むように、発酵食もまた、環境と人の暮らしの中で育まれてきました。
工業的に均一化された食品が増える一方で、伝統的な発酵食は腸内環境を整え、免疫機能や心の安定に寄与する「生きた文化」として、世界的に再評価されています。
FAO(国連食糧農業機関)
https://www.fao.org
UNESCO 無形文化遺産と食文化
https://ich.unesco.org
Nature Reviews Microbiology
https://www.nature.com
発酵食品と腸内細菌多様性の関係(Nature)
https://www.nature.com
伝統食文化の保護と持続可能性(UNESCO)
https://ich.unesco.org
再生型農業と発酵文化の相関に関する研究(FAO)
https://www.fao.org
発酵食は、単なる健康食品ではありません。
それは、土地の菌と人が共に生きてきた記憶そのものです。
日本の味噌や漬物文化がそうであるように、
発酵食は土壌の豊かさ、季節の巡り、人の暮らしのリズムと深く結びついています。
ローフードや自然な食の実践は、この発酵文化とも共鳴し、
「生きたものをいただく」という本質を思い出させてくれます。
JLBAが大切にしている「家庭の台所から始まる健康」とは、
最新の知識を取り入れるだけでなく、
先人たちが土とともに育んできた知恵を、未来へ手渡すことでもあります。
発酵食を味わうことは、
自分の腸を整えると同時に、
土地の文化と地球の循環に参加する行為なのです。